てにらぼ

テニスを科学する -tennis training lab-

テニスとフットワーク③ 重力と地面反力

テニスに必要なフットワーク

テニス(シングルス)は、縦11.89m・横8.23mの長方形のコートで、相手に応じて適切にポジショニングした位置から、グラウンドストロークのために2.5m~4.5m以内の移動をしたり、サイドラインいっぱいにボールを追いかけるために7m移動したり、止まったり…を繰り返す競技です。これらは可能な限り素早く連続させ、相手に空間的・時間的な余裕を与えないことが勝つために重要となります。

今回のブログでは、これらフットワークを理解するのに必要な「重心」「床反力」を視覚化して説明していきます。

 

自分の重心をコートの中で移動させる

人間が静止している状態を力学的に見ると、およそ体の中心にある、重心(黄色丸)に作用する重力(=体重)床反力(地面からの反作用)が互いに等しく、打ち消し合っている状態(加速度が生まれない状態)です。テニスにおける静止の局面であるパワーポジションを例に見てみましょう(図1)

 

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 図1.静止している状態(パワーポジション) 

黄色:重心に作用する重力  赤色:重心に作用する床反力

 

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図2.静止からの1歩目(クロスオーバーステップ)

図1では、重心にかかる下向きの重力(体重80kgの人は約800N)と床反力の上(鉛直)方向への大きさ(800N)が釣り合っているので静止しています。また、図2のように床反力が重心にかかる下向きの重力よりも大きくなればその分、重心は移動します。

体を移動させるということは、地面を蹴って重力以上の大きな床反力を生み出し、それを重心に作用させて動かすということです。そのため体の移動は、重心位置の動的な変化として捉え、重心が空中をふわふわ移動しているものと考えます。図2のように床反力が左右方向へ作用した場合、その方向に重心の加速度(速度が変化すること)が増加します。

 

そして、優れたフットワークの一つのポイントは身体重心に対し、移動方向への床反力を効率よく伝えられることでもあります。「効率良く」とは、地面を蹴る力を大きくすること(矢印の長さを大きくすること)、そして曲げた股関節・膝関節・足関節を同じ方向に一気に伸ばす(矢印を真っ直ぐに伸ばすイメージを持つこと)です。なので膝を伸ばすとき、膝が内側に入っていると効率よく力を伝えることができなくなってしまうのです。

 

トレーニングメニュー

・スクワットジャンプ

立ち幅跳び

・3段飛び…  など