てにらぼ

テニスを科学する -tennis training lab-

運動連鎖のすすめ

運動連鎖、説明できますか?

よく指導の現場で「運動連鎖をつかえていない」「運動連鎖がしっかりしている」などといった評価が見られます。概念的なものではなく具体的に、運動連鎖とは一体どのような動きなのか理解し、トレーニングによって身に付けていきましょう。

 

運動連鎖(kinetic chain)とは読んで字のごとく、下肢から上肢(上肢から下肢)へ各関節を連鎖させ、末端(手・足)へ有効な力発揮を行わせることです。体の中心部の方に筋力があり、末端の方は質量が小さいため、筋力によって慣性の小さい末端部は大きな速度が生み出され、パワーとなります。これが運動連鎖のメカニズムです。

要は、肩の筋肉によって上腕が加速できれば良く、股関節の筋肉で膝が加速できれば良く、大きい筋肉で末端を加速させることがパフォーマンスにつながるということです。テニスにおいて末端は手首の先にあるラケットであり「その動作がラケットヘッドスピードの獲得に貢献できているかが運動連鎖の評価となります。

運動連鎖の取得には「クイックリフト」が最もスタンダードで有効なトレーニングです。

 

ウェイトリフティング選手だけのものではないぞ「クイックリフト」

 運動連鎖に必要なクイックリフト系(全身で瞬時にバーを持ち上げる)種目の習得は、毎年3月に開催されるナショナルトレーニングセンターでの12歳以下の修造チャレンジでも取り入れられるようになり、テニス選手がウェイトリフティングの専門家に見てもらう機会も増えるようになりました。今回、クイックリフト系種目の中から「パワークリーン」と呼ばれるものを紹介します。スマホの縦長画面で見ることを推奨します(;´д`) ↓↓

 

 


テニスと運動連鎖

 

膝関節を伸ばす → 股関節を伸ばす → 母指球で押す → 肩を引き上げる」一連の動作によって、バーを正確にかつ素早く挙上できることを通して効率よく力発揮できる能力(=運動連鎖)が身につけられます。
最大筋力を大きくしたいのであれば、ベンチプレスで重いものを頑張って上げていれば良いでしょう。しかし、その最大筋力が実際の競技に近い動作(多関節動作で高速度条件)で使えるか話は別です。だって、ラリーは1〜2秒間隔で動作(パワー発揮)を繰り返すんですよ?

関節を連動させてその力の伝え方を身につけたい時にはクイックリフトを行うべきであり、ベンチプレス・スクワットなどの最大筋力トレーニングと組み合わせて行うことで最大の効果を発揮します。

最低でもバーの重さ(10~20㎏)を、腕の力に頼らずに爆発的に上げることが出来ればテニスに必要な運動連鎖を身につけられたことになります。爆発的な動作はスイングスピードの向上に繋がり、結果として回転量・ボールスピードのマックスを上げることに繋がります。軽いもので動きの習得をした後に少しずつ負荷を上げていきましょう。

膝関節・股関節・足関節の伸展パワーは、単純なダッシュ・バスケットボールのリバウンド・ピッチング等「走・跳・投」の身体動作にも応用されますから、クイックリフトはあらゆるスポーツに効果的なトレーニングです。